湿地巡り:荒尾干潟(熊本県)

日本野鳥の会熊本県支部 安尾征三郎

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 荒尾干潟は熊本県、福岡県、佐賀県、長崎県に囲まれた有明海の中央部東側に位置し、南北9.1km、東西最大幅3.2km、干潟面積約1656haあり、単一の干潟としては国内有数の広さを誇る干潟です。有明海でも干潟が減少していく中で、荒尾干潟は1978年以降減少していません。
 荒尾干潟に流れ込む河川はなく、有明海湾奥部の干潟と違い、荒尾干潟は泥砂干潟です。大潮の干潮時には干潟の道をアサリ貝採りの漁師たちが長い列をなして漁場へ向かいます。中には自転車に乗った人たち、バイクも走り、テーラーで荷を運ぶ人がいて、この光景を初めて見た人はびっくりします。冬期には夕陽に映える干潟の海苔畑のシルエットがきれいでカメラマンをひきつけています。

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テーラーで荒尾干潟を行く漁師たち
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浜辺で休憩するシギ・チドリ類

 荒尾海岸は後背地が市街地ですので、満潮時のシギ・チドリ類の休息場所は波打ち際となります。堤防上から30mの距離で鳥たちを観察できるのが荒尾海岸の特徴です。
 野鳥の会では、1980年代から1月、4月、8月に探鳥会を実施し、120種を超える鳥類を観察しております。近年、クロツラヘラサギが飛来するようになり、今冬は8羽を観察しました。ズグロカモメの飛来数も528羽を数えています。環境省モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査の結果を行政や市民にも知らせております。
 2006年から、エコパートナーあらお市民会議主催の環境フェスタでは、「荒尾干潟の鳥たち」の写真展示を行い、また、沿岸地域住民と荒尾干潟探鳥会を市民参加型で行っています。
 今年の6月30日には、荒尾干潟ラムサール条約湿地登録1周年を迎えた「荒尾干潟の日2013」記念イベントで、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ認定授与式がありました。「世界の宝」となった荒尾干潟に市民の関心が高まっています。

ラムネットJニュースレターVol.13より転載)

2013年10月12日掲載