CBD/COP12(韓国・平昌)でのラムネットJの活動報告

 生物多様性条約第12回締約国会議(CBD/COP12)が、10月6日から17日まで、韓国の平昌で開催されました。この会議でのラムネットJの主な活動についてご報告します。ラムネットJのウェブサイトにも詳しい報告記事を掲載していますので、そちらもご覧ください。


CBD/COP12の開会式

サイドイベント「アジアの湿地」

●サイドイベント:アジアの湿地
 ラムネットJは韓国湿地NGOネットワークと共に2つのサイドイベントを主催しました。一つは、10月8日に「アジア諸国の湿地破壊の現状」というタイトルで開催しました。韓国四大河川開発事業やメコン河開発、ネパールからの報告のほか、ラムネットJでは、今回のCOP12に向けて私たちの意見をまとめた「ポジションペーパー」の内容をベースに、諫早湾開門問題を例にとって、地域住民を翻弄しながら進む、公共事業による自然破壊について報告しました。イベントの翌日には、アジアの仲間が連帯して、四大河川開発事業問題をアピールする記者会見を行いました。

●サイドイベント:沖縄島、済州島
 もう一つのサイドイベントは、10月9日に「沖縄島と済州島での軍事基地建設による島の生物多様性に対する脅威」というタイトルで開催しました。ここでは、沖縄島の辺野古と高江、韓国の済州島カンジョン村での軍事基地建設が、生物多様性と地域住民の生活に大きな悪影響をおよぼしていることが報告されました。また、参加者一同による共同声明「軍事基地建設によって島の生物多様性が脅威を受けている!」が採択され、翌10日の記者会見で発表されました。


サイドイベント「沖縄島、済州島」

韓国四大河川開発事業に関する記者会見

●週末イベント:生物と文化の多様性
 CBDの愛知目標達成には、地域の多様な文化との連携こそが重要という認識のもとに「生物と文化の多様性をつなぐプログラム」というイベントが、ユネスコ、CBD事務局、韓国CBD市民ネットワークなどとの共同企画により、10月11日〜12日の週末2日間に開催されました。1日目は参加者が643年に創建された月精寺を訪問。僧侶から「生物多様性に関する仏教宣言」が発表されました。1日目の夕方および2日目は、会議場で5つの円卓会議が行われ、多様な国と文化的背景から生物多様性保全についての発表が行われました。ラムネットJは田んぼの生物多様性向上10年プロジェクトの取り組みの発表などで協力しました。

●CEPAフェア:UNDBの日
 会場内の富士山のような形をしたテントが会場となり、ここで9月29日から10月16日までCEPAに関わるさまざまなイベントが行われました。その一つとして14日に、「国連生物多様性10年(UNDB)の日」というイベントが、CBD事務局と国連生物多様性の10年日本委員会の共催で開催されました。「UNDBの促進と2020年に愛知目標1を達成するための工程」と「多様な分野の人々を巻き込み、これらの人々との共同の良い事例」がテーマで、ラムネットJは「市民を巻き込んだ取り組み」のセッションで、田んぼの生物多様性向上10年プロジェクトについての報告を行いました。


「週末イベント」での僧侶による宣

ラムネットJの展示ブース

●ブースでの展示、資料配付
 ラムネットJは展示会場にブースを設け、会期中全日程で展示を行いました。残念ながら入場者は少なかったのですが、出展団体が相互に情報交換したほか、平昌郡の郡知事やオマーンのスルタンがブースに訪れました。壁面には日本の湿地の現状やラムネットJの活動を紹介するタペストリー、会員団体から寄せられたポスターを掲示し、ポジションペーパーなどの資料を配布しました。
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 CBD/COP12での活動は、みなさまからの協賛金と、自然保護助成基金からの助成金、そして日韓の多くの方々のご協力で実現しました。どうもありがとうございました。
ラムネットJニュースレターVol.18より転載)

2015年02月17日掲載