泡瀬干潟の鳥獣保護区(特別保護区)の設置を求める要望書


 ラムサール・ネットワーク日本は、泡瀬干潟を守る連絡会、日本自然保護協会と共同で、2020年1月16日に下記の「泡瀬干潟の鳥獣保護区(特別保護区)の設置を求める要望書」を沖縄県知事に提出しました。


2020年1月16日
沖縄県知事 玉城 デニー 様

泡瀬干潟を守る連絡会           
共同代表 小橋川共男・漆谷克秀    
ラムサール・ネットワーク日本       
共同代表 上野山雅子・金井 裕・   
陣内隆之・高橋 久・永井光弘
公益財団法人日本自然保護協会       
理事長  亀山 章          

泡瀬干潟の鳥獣保護区(特別保護区)の設置を求める要望書

 私たちは泡瀬干潟の保全に長く関わってきた立場から、以下のことを要望いたします。
 私たちは、泡瀬干潟をラムサール条約湿地に登録するために、これまでに様々な取り組みをしてきました。そして、2015年6月の県議会において、故・翁長知事は「(登録は)湿地の保全再生や交流学習が促進されるなど意義のあること」と答弁され、事態が進展しました。そして具体的に第12次鳥獣保護管理事業計画(平成29年4月~平成34年3月)で具体化され、2017年10月の県議会で、泡瀬干潟における鳥獣保護区は650ha、その内280haは特別保護区として、沖縄市等と協議中、と県は答弁してきました。その後、2019年2月には、玉城知事からも「早期の指定実現に取り組む。翁長前知事と同様、登録を進めるべきだと考えている。貴重な自然は一度失うと二度と取り戻すのは不可能だ。」との答弁がありました。しかし、その後は進展がありませんでした。
 2019年11月の泡瀬干潟を守る連絡会の要請(「宗教者平和の集い」の署名提出時)を受けて、沖縄県からは「今年度中には沖縄市等との話し合いや文書での要請を行い、文書での回答を受ける意向である」と回答がありました。しかしながら2021年10月(予定)に開催されるラムサール条約の次回の締約国会議(COP14)にて登録されるためには、2020年度内に泡瀬干潟の鳥獣保護区(特別保護区)の設定が完了し、環境省で特別鳥獣保護区の設定が完了しなければなりません。従って、現在の状況は、余裕を持つ十分なスケジュールとは言えません。
 私たちは、これまでに世界に誇る生物多様性の宝庫である泡瀬干潟を早急にラムサール条約湿地に登録させ、保全していきたいとの思いで要請してきましたが、鳥獣保護区(特別保護区)の設定が確定しなかったために、2018年に開催されたラムサール条約第13回締約国会議(COP13)では、泡瀬干潟の登録は実現しませんでした。
 つきましては、沖縄県と沖縄市、北中城村、関係団体との協議を早期に終了し、ラムサール条約第14回締約国会議(COP14)で泡瀬干潟のラムサール条約湿地登録が実現できるように、切に要望いたします。
 2018年10月21日から29日までアラブ首長国連邦の首都ドバイで開催されたラムサール条約第13回締約国会議においては、海草藻場の大切さとウミガメの生息地の保全に関する決議が採択され、世界的にその大切さが再認識され保全に向けて努力することが合意されたばかりです。泡瀬干潟が登録され、ラムサール条約が述べるワイズユース(賢明な利用)を行えるようになりますよう要望いたします。
以上

2020年02月02日掲載