イベント報告

有明海・市民探鳥会 in 荒尾干潟

●主 催:日本野鳥の会熊本県支部
●実施日:2016年4月10日(日)
●場 所:熊本県荒尾市蔵満の海岸
●参加者:64名

 早い年は3月半ばに渡ってくるシギ・チドリ類ですが、今年は少し遅く、4月3日にオオソリハシシギ150羽、ダイゼン100羽、ハマシギ1000羽を確認しましたが、5日には浜から姿が消えてしまい、「えっ、ここには居付かないのか」と心配しました。
 9日は、日本野鳥の会九州・沖縄ブロック大会に参加しますので、8日にシギ、チドリ類の確認にいくと数千羽の群れが舞っていましたので安心しました。
 4月の荒尾干潟探鳥会は、5月22日の国際生物多様性の日を中心とするグリーンウェイブイベントに合わせて、湿地保全に関する『湿地のグリーンウェイブ』参加行事として開催しております。
 10日は曇り空で風が冷たい探鳥会となりました。いつものようにちょっと早目に家を出て、荒尾干潟の北から竹下さん、南から安尾がシギ・チドリ類がどこに休息しているか・・・観察して集合場所で落ち合うことにしました。
今日の満潮時刻は10時58分です。集合は午前10時ですが、9時過ぎには参加者が集まり始めました。「荒尾干潟探鳥会のしおり」、ラムサール・ネットワーク日本「湿地のグリーンウェイブ全国版チラシ」と清掃用の軍手とゴミ袋を参加者に渡し、双眼鏡も貸し出しました。今日の探鳥会参加者は64名(子ども9名、会員は18名)となりました。開会の10時になり、荒尾市環境保全課より挨拶の後、野鳥の会会員8名の方にリーダーとなっていただき、初めて参加21名の方含めて指導をお願いしました。
今日、見たい鳥はオオソリハシシギです。春の渡りの時期は荒尾干潟には400羽以上のオオソリハシシギが渡ってきます。
 一部港の北側、増永地域の浜にシギ・チドリ類の群れが休息しているところまで海岸堤防沿いに歩いて移動しました。集合場所からも飛び交うシギ・チドリ類の飛翔を見ることができました。
 参加者の感想です。

◆初めての参加で感動しました。これからも参加させていただきたいと思います。◆今日のシギチの群れの飛翔はすごい規模でした。これからも荒尾干潟の鳥見を楽しみたいと思います。◆オオソリハシシギを初めて見ました。感動でした! あれだけ多くの鳥たちが飛んできてくれるのはすばらしいことですね。また、ぜひ参加したいと思います。◆犬と、ばあちゃんが邪魔してシギが逃げました。◆狙い通りオオソリハシシギがたくさん見られてよかった。探鳥会を行っていることを伝える看板か旗を立て、犬の散歩は迂回してもらうよう協力を促したらどうか。◆シロチドリを見つけることができずに残念でした。鳥に詳しくなりたい。◆市民探鳥会として開催されますので、多くの一般市民や子供たちの参加が多くてよかった。◆初めての経験でしたが、双眼鏡の使い方が不慣れでした。見せていただいた鳥はとてもきれいでした。◆双眼鏡の扱い方を60数年かけておぼえました。ありがとうございました。もっと倍率の高いやつを使うと違った見方ができると思う。◆なかなか肉眼では見られない鳥を、参加して、野鳥の会の説明に少し勉強できました。帰りにゴミ集めの協力は見事でした。◆清掃を兼ねるのは大変良いことだと思いました。あの犬はどこへ行ったのでしょう? ◆アオバトが海水を飲んでいるところを初めて見られてよかった。シギはあいにく犬の散歩の人に邪魔されて、よく見られず残念でした。◆オオソリハシシギをはじめ、シギ・チドリの大群が見られてよかったです。途中、犬の散歩の方が現れて初めて気付きましたが、探鳥会の存在を広く知ってもらうためにも、新聞社などに取材に来てもらい、掲載してもらうのも大事かなと思いました。ごみ拾いが少しでもできてよかったです。◆初めての参加で、初めて鳥の集団を見て感動。自然の大切さを大いに思う。◆久しぶりに参加しました。いろんな鳥を丁寧に説明していただけて、楽しい時間を過ごせました。

 荒尾市長が公務の合間に15分間という短い時間でしたが姿を見せ、浜から飛び立つシギ・チドリ類の飛翔に「感激、感動しました。渡り鳥の保護とこの環境を大事にしていきましょう」と、次の公務へ移られました。
 この春、荒尾干潟では「グリーンのフラッグにBJKの刻印」「グリーンのフラッグにAPHの刻印」「オレンジのフラッグにB6の刻印」「オレンジのフラッグに23の刻印」「オレンジのフラッグにP3の刻印」「オレンジのフラッグにK4の刻印」「オレンジのフラッグにPLの刻印」の標識がついているオオソリハシシギが観察されたと報告がきています。「オレンジのフラッグに23」のオオソリハシシギは、2009年2月7日にオーストラリアのビクトリア州コーナー湾で放鳥されました。このオオソリハシシギは荒尾干潟では2011年4月9日に観察されて以来、6年間、観察されています。地球を旅するといわれるシギ・チドリ類が、荒尾干潟を目指して渡ってくるということに大きなロマンを感じますね。

 会員の参加は18名でしたが、多数参加された市民に観察指導されて、喜んでいただきました。また、荒尾干潟探鳥会は清掃作業がつきものという慣例も理解していただいておられることに感謝します。野鳥の会に入会を希望された方も3名おられます、1名の方が「考慮します」の返事でした。

【確認した鳥:40種】カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ウミアイサ、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、トウネン、ハマシギ、ミユビシギ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、カモメ、ウミネコ、ホイグリンカモメ、ズグロカモメ、キジバト、アオバト、カワラバト、ヒバリ、ツバメ、ハクセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、アトリ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、カササギ、ハシボソガラス、ハシブトガラス

(安尾征三郎)

2016春の荒尾干潟探鳥会しおり(PDF)