イベント報告

2017クロツラヘラサギ報告会 in 北九州

●主 催:日本クロツラヘラサギネットワーク(JBFSN)
●後 援:北九州市、日本野鳥の会北九州支部
●実施日:2017年7月22日(土)11:00~15:00
●場 所:北九州市立東朽網市民センター
●参加者:51名

〈プログラム〉
■あいさつ/高野茂樹(JBFSN代表)
■日本クロツラヘラサギネットワークのこれまでの活動/松本悟(JBFSN事務局)
■周防灘周辺のクロツラヘラサギの現状
 ・曽根干潟周辺/高橋俊吾 ・今川・苅田地域/田代省二 ・山口湾/渡辺徹
 ・厚狭川周辺/川口哲男
《休憩》
■クロツラヘラサギを基準としたフライウェイサイトの登録について/
 葉山政治(公財日本野鳥の会)
■各地からの報告、コメント
 ・八代海周辺/高野茂樹 ・熊本港周辺/白石健一 ・有明海北部/中村さやか
 ・錦江湾奥部/宮野啓子、小野田剛 ・博多湾/松本悟
■各地の現状、課題などについて意見交換
 ・IUCNにおけるクロツラヘラサギの[VU]へのリスト変更の動きについて/
  小池裕子(JBFSN副代表)
■閉会あいさつ/小池裕子(JBFSN副代表)

■エクスカーション 13名参加 ・コース/松山埋立地→朽網川河口→曽根干潟

[コメント/事務局:松本]
 今回は、初めての北九州開催だったこともあり、特に北九州・山口周辺の4つの報告が充実していた。グラフ、写真も多用されていて日頃の調査の精度の高さが感じられた。
 葉山政治氏の「クロツラヘラサギを基準としたフライウェイサイトの登録について」の解説は、EAAFPにおけるクロツラヘラサギを視点とした各地の生息地の保全策として重要な投げかけであり、今後の各地での展開が期待される。バードライフ提供の資料も充実していた。
 また、小池裕子氏の「IUCNにおけるクロツラヘラサギの[VU]へのリスト変更の検討」の報告も「絶滅危惧種」という捉え方に様々な意向が働いていることを知らされた内容であった。
 各地の報告の中では、クロツラヘラサギの生息域が内陸部に拡大しているという事例が2点あった。数年前からの課題だが、生息域の拡大に伴う調査員の数が足りていない。調査協力者を増やす働きかけもネットワークの直近の課題になっている。
 会場では、野鳥の会北九州支部のみなさん等による、クロツラヘラサギのトートバッグの販売や自作コーナーが設けられたり、カブトガニの折り紙、栞なども提供されるなどの楽しい演出がなされていて、充実した中にも和やかな報告会となった。
 エクスカーションは、3箇所の観察場所を見ることができた。

 北九州での報告会開催にあたって、高橋俊吾氏に事前の準備、対応をしていただき、多くの参加者を迎えることが出来た。深く感謝申し上げます。