イベント報告

大正川カメ類調査

●主 催:和亀保護の会
●実施日:2018年4月7日(土)10:00~14:00
●場 所:大正川(阪急高架下周辺)
●参加者:7名(スタッフ3名)


春の大正川。一見美しく見えるが、何袋ものゴミが集まる。中州に外来種のセイヨウカラシナが席巻しているのも悩ましい。

 大正川は大阪府茨木市・摂津市を流れる約5.3kmの都市河川です。三面コンクリート張りを免れたため、中洲ができ、変化のある澪筋が形成され、水辺エコトーンの役割をする植物が生育して、都市を流れる川としては比較的多様な生き物が生息しています。カメ類でも周辺地域では見られなくなったニホンイシガメがわずかながら残っており、和亀保護の会ではその保全のために2004年から生息状況調査、河床や中州の清掃、外来種の駆除など、さまざまな実践活動を行っています。特にミシシッピアカミミガメは環境に大きな負荷をかけるため、コンスタントに防除しています。しかし川は開放水域であるため常に供給されます。低密度管理をしてその影響を最低限に抑えることが重要です。
 環境問題に対する理解のために、同じ大正川で活動する他団体と一緒にイベントで啓発活動をすることもありますが、今回は保全活動やカメに興味のある一般の方々に呼びかけて、通常会員が行っているルーティンの活動を体験していただきました。
 夏場のカメ類の捕獲は罠が一般的ですが、この時期はまだエサで誘引する方法は効率的ではありません。カメが潜んでいそうなところを手探りして捕まえました。今回はアカミミガメの他に、既に個体識別しているニホンイシガメとクサガメが見つかり、参加者に測定や撮影・記録をお手伝いいただきました。捕獲したアカミミガメは後日冷凍庫で処分し、焼却したり堆肥化したりします。時には料理して食べるイベントをすることもあります。
 さて、カメを捕まえるために手探りをしていると、水底に沈んだ空き缶や空き瓶をたくさん拾います。カメが産卵したり日光浴したりする中洲でもたくさん集まります。ゴミが生き物の生息を困難にしている現状を実感します。地味な作業の積み重ねですが、清掃活動や外来種防除は、ニホンイシガメを生かし続ける大きな力となるのです。


捕獲したカメを観察・測定中


カメの捕獲と並行して行う清掃活動