イベント報告

2018田んぼ探検隊「田植えをしよう」

●主 催:NPO法人 里山の風景をつくる会
●実施日:2018年4月29日(日)9:00~11:30
●場 所:徳島県小松島市大林町の田んぼ
●参加者:大人31人、子ども30人、3歳未満4人

今年も田んぼ探検隊1回目の田植えは、小松島の武蔵さんの田で始まりです。代掻(しろかき)され、水がたっぷりとはられている。静かだ。やがて青空の下、半袖短パンの子どもたち、お父さん、お母さんたちがニコニコ顔で次々に集まってくる。恒例の足慣らしをするために、ぬるぬるの泥田んぼを走り回る光景、こんなこと今ここでしかできない、あっちでもこっちでも爆発してる。育った緑の苗を田に入れると、みんなの心にエンジンがかかる。ブルルンルンルン!

両岸に立ち田植え綱を張る人の手にも、さあ出番だと力が入る。植えるときは綱がたるまない様引っ張り、また植えて手に合わせ下がるのは重労働です。別の田には十分働いてきた田植え定規が並べられている。苗の塊を左手に持ち、右手で3~5本を取り分けるこの動作は、指力が要求され子どもには難しい。下手すると根が千切れてしまう。所定の場所に苗を植えると定規を手前に移動する。子どもは必至に学ぼうとするので習得は早い。

私たちのグループ4名、会話しながら励まし合いながら田植え定規を使うが一番遅れていた。おお後少しじゃ!最後の苗を植え終わった時の感動! 岸で待っていたお母さんから「途中であきらめるんかと思った。よく頑張ったね!」4名が右手を合わせて「オッ!!」いい顔している。労をねぎらい合った。

この時自分と田んぼの関わりを思い出した。昭和33年頃、農業の機械化とは無縁の時代だったので、中学生になると働き手として期待された。定規植えだったので、みんなに遅れないように必死で植え、むこう岸にたどり着いた時の達成感と疲労感はいまでも蘇る。苗がしっかり活着すると、田草とり。鉄の爪のついた手動回転式のコロで田んぼの土をかきとり、草を浮かして除草する。

時は移り、今回私たちは、田植え直後の田んぼに米ぬかを散布した。これは、ぬかが水に溶け分解して発生する「有機酸」により、雑草の発芽を抑えたり、あるいは発芽したての雑草の成長を阻害させる除草法である。

時や農法が変わっても、稲田を渡る風を見るときここは日本だと思う。一番美しい風景だと思う。今年も田植えを体験した参加者の心に、その人なりの田植えの思い出がずっと残っていくんだと思うと、多くの関係者の手を借りながらもこの探検隊を続ける意味を、再認識した。

●関連記事URL
http://www.enjoy-satoyama.com/