イベント報告

海の探検隊・小松海岸の自然かんさつ

●主 催:とくしま自然観察の会&吉野川ひがたファンクラブ
●後 援:徳島市教育委員会
●実施日:2018年5月19日(土)14:30~16:30
●場 所:小松海岸(徳島市川内町)
●参加者:計28名(おとな13名・子ども5名・スタッフ10名)

小松海岸は、徳島市中心部から近く吉野川河口の北に位置し、紀伊水道に面した貴重な自然海岸です。夏は徳島市内唯一の海水浴場となり、水質は「適」AA、サーファーも訪れる徳島市民のホームビーチです。空気が澄んでいる時は淡路島から大阪~和歌山まで見渡せます。講師は和田太一さん。親子連れの参加者が網やザルで採ってきた生き物や貝殻を丁寧にひとつひとつ説明してくださいました。
和田さんは、昨年7月16日の小松海岸の観察会で、「ハマスナホリガニ」を見つけました。徳島市の海岸においては80年ぶりの記録です。ハマスナホリガニは、忍者の“枯葉がくれ”ならぬ“砂がくれ”で、とても素早く波間に潜ってしまいますが、奇跡的につかまえることができると、甲長1cmまるっこい形をしたとてもチャーミングな生物です。(写真参考)
今回の春の観察会では、ハマスナホリガニは見つかりませんでしたが、波打ち際では、シタヒラメの稚魚が多く網にかかりました。また希少種のフジノハナガイも見られました。
きれいな模様のアミメエチゼンガニもたくさん採れ、平たい足で動き回るユーモラスな動きに皆、笑顔になり、手にとったりして感触を楽しみました。
砂浜は磯や干潟とくらべると一見生きものが少なく、あまり注目されないエリア。しかしそんな砂浜にもその環境に適応した面白い生きものたちがたくさんいることは楽しい再発見です。吉野川の北岸に広がる小松海岸の砂浜や浅瀬は、吉野川河口とつながっている大きな生態系の貴重な環境です。

●観察された生物
〔魚類〕クロウシノシタ、バケヌメリ、ボラの稚魚
〔エビ・カニ類〕エビジャコの一種、スナモグリの一種、ウモレマメガニ、アミメキンセンガニ、ヨコエビの仲間(ヒサシソコエビ科)、ハイハイドロクダムシ属の一種
〔生貝〕ミゾガイ、フジノハナガイ
〔ゴカイ類〕チロリ科2種、シロガネゴカイ科、スゴカイイソメの棲管
〔貝殻〕アカニシ、キサゴ、マクラガイ、クイチガイサルボウ、バカガイ、アリソガイ、アサリ、ハマグリ、アカマテガイ、ナミマガシワ、カバザクラガイ

●関連記事URL
とくしま自然観察の会
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