イベント報告

曽根干潟カブトガニ産卵観察会

●主 催:日本カブトガニを守る会福岡支部
●実施日:2018年7月1日(日)10:00~11:30
●場 所:曽根干潟 貫川河口左岸・右岸(小倉南区曽根新田北・曽根新田南)
     曽根干潟かぶとがに自慢館(小倉南区曽根新田南4)
     朽網川河口海岸(小倉南区大字曽根新田)
●参加者:20名

前々日は大雨洪水警報、前日も雨、当日は雨も上がり、潮位はまずまずであったが、連日の大雨による河川水の流入で河口付近の海水は濁って水温も下がり、おまけに台風7号接近の影響か東風が強く波高しで、カブトガニが産卵に来るかどうか微妙な状況であった。それでも、集合場所の貫川河口左岸には、遠く福岡市から7名の参加を含め、総勢20名が集まった。
左岸の産卵ポイントのようすを気にしながら、今シーズンの産卵の状況や、曽根干潟の産卵の特徴などを紹介した。満潮時間から30分過ぎて、最初のポイントは波が高くて観察できる状況ではなかったので、漁港連絡橋工事のための仮設道路沿いにある産卵ポイントに移動しながら、周辺の工事やその影響等の説明もした。2番目のポイントは風裏になって波は穏やかであったが、今シーズンは工事の影響か6月の潮ではほとんどきてなく、この時もやはり姿を見ることができなかった。代わりに、旧空港誘導灯で休息していたクロツラヘラサギの越夏個体12羽を見てもらった。
野外でカブトガニの姿を見ることができなかったので、カブトガニ自慢館に移動して、展示水槽内のカブトガニつがいや幼生などを観察してもらったり、形態や生態等について質疑応答したりしながら学んでもらった。
その後、貫川右岸の産卵ポイントと朽網川河口海岸の産卵ポイントを順に回って、産卵場所のようすの違いや共通点などを見てもらうとともに、場所によって産卵行動の違いがあることや、それゆえの産卵調査や観察会のやり方の工夫が必要なことなどを紹介した。
この日は天候の影響で残念ながら自然下でのカブトガニの産卵は観察することはできなかったが、来浜数0も記録であるし、曽根干潟の環境の変化を知ってもらう機会にもなったので、それなりに良かったのではないかと思う。