イベント報告

球磨川河口 がんばれ!シギ・チドリ探鳥会

●主 催:八代野鳥愛好会、日本野鳥の会熊本県支部
●共 催:熊本大学 くまもと水循環・減災研究教育センター
     次世代のためにがんばろ会
●実施日:2018年4月15日(日)10:00~12:00
●場 所:やつしろハーモニーホール(八代市新町5-20)
     球磨川河口右岸堤防付近(八代市鼠蔵町)
●参加者:40名

この時期はシギ・チドリ類が南の越冬地から北の繁殖地へ渡る「春の渡り」の時期です。今年も「湿地のグリーンウェーブ2018」への参加事業として実施しましたが、一昨年からは、熊本大学市民講座の「八代まるごと自然体験」の一環としても実施しています。学習会、海辺のゴミ拾い、そしてシギ・チドリ類探鳥と忙しい日程でしたが、たくさんの子ども達など約40名の参加となりました。
学習会は、やつしろハーモニーホールで実施し、まず「海岸のゴミについて知ろう」ということで次世代のためにがんばろ会の松浦ゆかりさんから、環境をきれいにすることから自然の大切さを啓発する活動の実際を、スライドを利用してお話ししていただきました。排水機場にたまった膨大なゴミに驚き、球磨川流域を通してゴミについての意識啓発の必要が分かりました。その後、野鳥愛好会の高野より、昨年作成された「楽習帳」とスライドをもとに、球磨川河口干潟に「こんな鳥がきてるよ」を紹介しました。球磨川河口は約50種の希少種と共に多くの水鳥たちが利用していること、特に地球を旅するシギ・チドリ類にとっては休息とエネルギー補給で大切な場所であること、今日はハマシギ、ダイゼンなどのシギ・チドリ類に加え、クロツラヘラサギも見られることを紹介しました。
学習会の後は、球磨川河口に移動。八代市の協力でボランティアゴミ袋を用意していただき、軍手をはめて、皆さん、元気よく球磨川河口右岸浜辺に散らばり、ゴミを集めていただきました。短時間でありましたが、思った以上にたくさんのゴミが集まり、成果物を前に写真を撮りました。
潮が引き始めており、ゴミ拾い活動が終わる頃には球磨川河口には干潟が干出し、約20羽のセグロカモメが休んでおり、嘴や脚の色などを確認しました。河口の金剛島にはアオサギが営巣しており、その姿にも注目が集まりました。浜辺ではクロツラヘラサギが採餌し、その姿を望遠鏡や双眼鏡で確認し、「ワーッ、見えた。見えた。」と歓声が上がっていました。ハマシギやダイゼンの群れが飛来したときには干潟が広がって鳥は遠くになっていましたが、それでもたくさんのハマシギがせっせと採餌する姿を熱心に見ていただきました。ダイゼン、オバシギのほかにオオソリハシシギ、ダイシャクシギの姿もありました。元気で繁殖地へ飛んでいってくれることを願いつつ、探鳥会を終わりました。笑顔で観察してくれた子ども達の笑顔が何よりのご褒美でした。