イベント報告

世界渡り鳥の日を前に「春の干潟の生き物観察・海辺の清掃活動」

●主 催:東朽網校区まちづくり協議会「水と緑の美化プロジェクト」委員会
●共 催:北九州市立東朽網市民センター・市民講座・里っ子クラブ
●実施日:2022年5月7日(土)9:00〜10:30
●場 所:朽網臨空緑地公園(曽根干潟観察公園)朽網川河口
●参加者:26人

 北九州市小倉南区の瀬戸内海側、周防灘・豊前海に面した東朽網校区は、水源である水晶山(531m)、そこからの豊富な水を貯え曽根平野へ水を潤す貯水池(昭和池:周囲約2.5km)、住民の生活環境となる川(朽網川)、そして豊かな養分を送り出す河口から海(曽根干潟)までを擁しています。それぞれに地域の宝とも言える豊かな自然環境を有した地域です。まちづくりの一環として、豊かな自然環境を活かして、身近に存在する自然の豊かさを知りふれあう活動から始め、守り次世代へ残していくために、源流から干潟までを舞台に、さまざまな保全・保護活動に取り組んでいます。
 その一つとして、平成27年から春と秋の渡り鳥を中心とした干潟の生きもの観察と海辺の清掃活動に取り組んでいます。毎年5月と10月の第2土曜日は「世界渡り鳥の日」とされていますが、それに合わせて毎年のテーマを意識しながら観察会を行っています。
 曽根干潟でも春の干潟には、たくさんのチュウシャクシギやオオソリハシシギ、ダイゼンやハマシギなどのシギチドリ類が渡りの中継地として飛来し羽を休めています。中にはオーストラリアやニュージーランドで標識を付けて放鳥された同じ個体が毎年やってきます。二、三十年前に比べると、個体数は減っているようですが、満潮時には、目の前の朽網川河口導流堤で1000羽以上の鳥たちが休憩している姿を見ることができます。一方、コロナ禍で釣り人が増え、導流堤への立ち入りの影響か、休息場を変えるなど鳥たちの行動に変化もみえています。
 今年の観察会は、世界渡り鳥の日の1週前に実施しました。ゴールデンウイークの最後の週末だったこともあり参加者は26名と少なかったのですが、親子で初めて参加した子どもたちもいて、熱心に双眼鏡やスコープをのぞきながら干潟で餌捕りをする鳥たちを観察していました。「何千kmも旅をする渡り鳥がこんなにたくさん来るなんて知らなかった」との感想も聞かれました。後半は、曽根干潟観察公園周辺のゴミ拾いを行いました。海ゴミの8割は陸上由来であること、その海ゴミが海鳥等の生き物の命を脅かしていることも意識しながら、みんなで公園の草むらや道路脇、植え込みの中に捨てられたゴミを回収しました。最後に、世界渡り鳥の日の今年のテーマである「渡り鳥のために、夜の照明を暗くしよう」を少しでも実践していこうと呼びかけて終わりました。

曽根干潟の野鳥を観察


今回参加された皆さん

●参加団体紹介ページ:東朽網校区まちづくり協議会「水と緑の美化プロジェクト」委員会