韓国ナクトンガン(洛東江)河口湿地の保全を求める請願への協力団体募集

 韓国の湿地NGOネットワーク(KWNN)では「ナクトンガン(洛東江)河口湿地の保全を求める請願」への協力団体を募集中です。ご協力いただける団体は、以下の請願書(Wordファイル)をダウンロードして、書類末尾に、①お名前、②団体名、③役職をご記入の上、下記の宛先までメール添付でお送りください(ラムネットJ事務局にも同報送信をお願いします)。オリジナルで作成した請願文も歓迎とのことです。

●請願書:Petition_for_the_Nakdong_River_Estuary_20210614.docx
●宛 先:KWNN事務局マ・ヨンウンさん(Mr. Ma Yong-un)
     ecolia☆hotmail.com(☆印は@に置換)
●同 報:ラムネットJ事務局 info☆ramnet-j.org(☆印は@に置換)
●締 切:2021年6月30日(水)

 なお、ラムネットJは5月31日に以下の請願書(PDF)を提出しました。
ラムネットJの請願書:Nakdong_River_Estuary_Petition_20210531_rnj.pdf

 この請願に関するKWNNからの詳しい説明は下記の通りです。


<韓国ナクトンガン(洛東江)河口保全の請願に参加してください!>

ラムサール・ネットワーク日本と自然を愛する皆さま

 ナクトンガン河口は韓国の最も代表的な湿地です。その重要性から、湿地保全の重要性が未だ周知されていなかった1966年に韓国の天然記念物に指定されました。そして今では、国の湿地保全法を含む5つの法律において保護区となっています。また、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップによる重要生息地ネットワークにも参加しています。

 ナクトンガン河口は、ヘラシギ、カラフトアオアシシギ、カラシラサギ、クロツラヘラサギ、ズグロカモメ、オオワシなど国際的危急種に指定されている多くの鳥種が定期的に利用する重要な生息地となっています。特に、オオハクチョウは3000から4000羽(韓国で越冬する全個体数の約75%)が、越冬しています。かつてこの河口ではおよそ3000から4000羽のコアジサシが繁殖しアジアで最重要の繁殖地であったこともあります。しかしながら、ナクトンガン河口の度重なる開発と撹乱の結果、2010年以降、コアジサシの繁殖個体群は全く見られなくなりました。

 この状況の中、プサン(釜山)市の行政はナクトンガンを横断する現存の10の橋に加えて更に橋の建設を計画しています。その計画によれば、テジョ大橋と、オムグン大橋、チャンナク大橋がオオハクチョウの越冬地に入り込むことになっています。この地域はオオハクチョウだけでなく、河口域の生態系全体にとっても非常に重要な場所です。

 この事柄の緊急性を知って、私たち韓国湿地NGOネットワーク(KWNN)は全国65団体のNGOと共に、「ナクトンガン河口保全のための韓国市民社会ネットワーク(KCNN)」を結成しました。河口保護のための保全NGOの努力によって環境部(ナクトンガン流域環境事務所)は2020年6月にテジョ大橋建設のための環境影響評価を棄却しました。そして、環境事務所、プサン市行政およびNGOは計画地域における特に、オオハクチョウ越冬個体群及びその他の鳥類危急種の合同調査を2020年12月から2021年3月の間に行うことに合意しました。

 合同調査を終えて、調査団は環境事務所に対して調査結果と意見書を提出しました。ここでは、(1)冬期間を通じて鳥類に対する撹乱が増加してきたこと、(2)テジョ大橋の計画地域はオオハクチョウの重要越冬地であることが証明されたこと、(3)橋の建設は鳥類の越冬に影響を与えること、が述べられています。この合同調査団の意見書と調査結果に基づいて環境事務所はおそらく6月初旬に橋梁建設計画を認めるかどうかについて最終決定を行うことになるでしょう。

 私たちは韓国政府とその環境事務所がこの件に対して賢明な決定をすることを信じていますが、私たちとしては政府及び環境事務所を激励して、正しい方向に向けた決定を行うようにしたいと考えています。それで、私たちは皆さんに以下の要請書に加わっていただき、韓国政府に、重要な湿地を保全するという正しい決定を下すよう要請します。

 どうか、この貴重な湿地の保護を支援するため、皆様からも別紙の請願を、2021年6月末までに韓国湿地NGOネットワークのマ・ヨンウンさんecolia☆hotmail.com(☆印は@に置換)あて、送ってください

 皆さまのご支援に感謝します。

2021年6月14日
KIM Soon-rae キム・スンレ
韓国湿地NGOネットワーク運営委員会議長

2021年06月20日掲載